決定の相関図
2006年9月19日MTGとは決定が複雑に込み入ってできあがるゲームだ。全てのゲームは、双方のプレイヤーが行った一連の決定に、不確定要素を加えて結果が出る。
もし君がRegaining Control Over Luck(未訳)を読んでいるなら、今回は自分がコントロールできること、すなわち「自分自身の決定を扱う」ことがお分かりいただけるだろう。対戦相手の幸運とか、君の不運などを見ても何の役にも立ちはしない。
今度の記事では、全ての決定−大きいものも小さいものも−がゲームにどのように影響を与えるのかを見ていく。君と対戦相手にもたらされる実質的な結果を基にした、意思決定の理論を示そう。これがゲームの中で正しいプレイングができる一助となることを願って。
おしゃべりはここまで。これが意思決定の相関図だ!
それぞれがどのようなものだろうか?これから説明していきたい。
この表は私が戦略上の選択を行うときのものだ。不確定な要素、例えば対戦相手の手札に何かあるかもしれない、ということを判断する場合、たいがいこれを基にする。誤解しないでほしいが、いつどのトーナメントでもこれが使えるとは限らない。私が机上で自らの思考過程を整理して表にしたまでの話だ。
ではどのように使えばよいだろうか?例えば、対戦相手がクリーチャーをアタックさせ、その手札には巨大化を持っているかもしれない。直面する問題は、ブロックすべきか、ブロックすべきでないか。そこで決定相関図の出番が来た!
このコラムのシリーズで最初に扱ったのは、好転する潜在的な可能性が何もかもにあるかどうかだった。相手が巨大化を持っているとは限らないことを説いた。
だが、この表の一番上の行(横軸)は相手が巨大化を「持っていた」場合だ。私の場に2/2がいて、相手が4/2でアタックしてきた。もし相手の手札に巨大化がなければ、ブロックする意味がある。私は小さなアドバンテージを得る。カードを相手のより良いカードと交換できたためだ。この表の縦軸(選択が正しかった場合)から、「私に小さなアドバンテージ」が当てはまる。
じゃあ、相手が巨大化を持っていたらどうだろう?相手は基本的に巨大化と私の2/2を交換するだろう。これはそれほど酷い事ではなく、相手は小さなアドバンテージを得る。この表の横軸(選択が間違っていた場合)では、「相手に小さなアドバンテージ」が当てはまる。
(縦と横の軸が交わるところを見ると、)結果は「良く考えよう」。これが意味するところは、やろうと考えていることはおそらくよいだろうが、他の大事な要素が絡まない限りだ。(例えば、相手が2ライフで、何か有効なカードを引ければ返しのアタックで勝てる)他の要素がないな場合、私なら4/2をブロックする。
もちろん、これはわかりやすい例。これからたくさんの場合を見て、各場合のポイントを解説しよう。
・アドバンテージの定義
勝ち確定:実に単純。君の判断が正しければ、ゲームは君のもの。たとえば、相手のライフが2で、君の手札にショックがあるが、相手が対抗呪文を持っているかもしれない場合。相手にカウンターが無ければ君の勝ちという具合で、それゆえ目論見どおりにいけば勝ち確定というわけ。
負け確定:その対極がこちら。君はショックをドローし、相手の場に2/2があり、君のライフは2。もし相手に+1/+1できる呪文があれば負け確定。
君に大きなアドバンテージ:同じく君にショックがあり、相手の場に2/2があり、そのクリーチャーに魂の絆と好奇心が付いている。ショックで焼けたならもうけものだ。1対多の交換に加え、危険な障害を取り除くことができる。大きなアドバンテージは、ゲームを有利な展開にさせるだけの影響力がある。
相手に大きなアドバンテージ:君にショックがあり、相手のライフは2。相手に誤った指図があれば、君の2/2−次のターンにゲームを決めてくれるかもしれない−に打ち返すことができる。負ける流れを止め、なおかつ1対複数の交換ができるのは大きなアドバンテージだ。
相手に小さなアドバンテージ:君にショックがあり、相手に毎ターンアタックしてくる2/1飛行がいる。もし相手に治癒の軟膏があれば1対1交換をしつつ、相手に有利な展開へと向けることもできる。
君に微妙なアドバンテージ:ショックがあり、相手にプレイして焦熱の火猫の射程圏内に追い込む。普通、微妙な範囲なら場に影響は与えない。もっとも、後になってから効いてくるかもわからない。
相手に微妙なアドバンテージ:ショックがあり、相手の「死ぬと1ダメージ与える」能力を持ったクリーチャーにプレイした。相手はわずかなライフアドバンテージを得たが、カードアドバンテージは得ていない。だから「微妙」。
・項目ごとの分析
君と相手の得るアドバンテージを程度ごとに見てきた。今度は決定の相関図とアドバイスだ。
勝ち確定vs微妙
やるっきゃない!:簡単だ。積極的に、絶対に、迷うことなくやれ!たとえば、君に4/4が2体、相手に2/2が2体いる。相手の1枚の手札は濃霧かもしれない。相手のライフは4で君は5.アタックだ!相手は濃霧がないなら両方の4/4をブロックしなければいけないし、もしあっても相手は君を次のターン倒すことはできないうえ、いずれにしても助からない。
勝ち確定vs小さなアドバンテージ
やってみよう:相手は3ライフで、こちらは20。相手に6/6が1体。こちらは5/5が2体。考えるところは、相手に治癒の軟膏があるかどうか。もしあれば、相手は1ライフ残して踏みとどまり、こちらは5/5を1体失う。相手は場を膠着させるかもしれないが、押し返すにはもっとたくさんの力が必要だ。それゆえ小さなアドバンテージ。もしなければ君の勝ち。
「やってみよう」と「やるっきゃない!」の違いは相手に小さなアドバンテージがあるかどうかで、それ以上の違いはない。
もし君がRegaining Control Over Luck(未訳)を読んでいるなら、今回は自分がコントロールできること、すなわち「自分自身の決定を扱う」ことがお分かりいただけるだろう。対戦相手の幸運とか、君の不運などを見ても何の役にも立ちはしない。
今度の記事では、全ての決定−大きいものも小さいものも−がゲームにどのように影響を与えるのかを見ていく。君と対戦相手にもたらされる実質的な結果を基にした、意思決定の理論を示そう。これがゲームの中で正しいプレイングができる一助となることを願って。
おしゃべりはここまで。これが意思決定の相関図だ!
それぞれがどのようなものだろうか?これから説明していきたい。
この表は私が戦略上の選択を行うときのものだ。不確定な要素、例えば対戦相手の手札に何かあるかもしれない、ということを判断する場合、たいがいこれを基にする。誤解しないでほしいが、いつどのトーナメントでもこれが使えるとは限らない。私が机上で自らの思考過程を整理して表にしたまでの話だ。
ではどのように使えばよいだろうか?例えば、対戦相手がクリーチャーをアタックさせ、その手札には巨大化を持っているかもしれない。直面する問題は、ブロックすべきか、ブロックすべきでないか。そこで決定相関図の出番が来た!
このコラムのシリーズで最初に扱ったのは、好転する潜在的な可能性が何もかもにあるかどうかだった。相手が巨大化を持っているとは限らないことを説いた。
だが、この表の一番上の行(横軸)は相手が巨大化を「持っていた」場合だ。私の場に2/2がいて、相手が4/2でアタックしてきた。もし相手の手札に巨大化がなければ、ブロックする意味がある。私は小さなアドバンテージを得る。カードを相手のより良いカードと交換できたためだ。この表の縦軸(選択が正しかった場合)から、「私に小さなアドバンテージ」が当てはまる。
じゃあ、相手が巨大化を持っていたらどうだろう?相手は基本的に巨大化と私の2/2を交換するだろう。これはそれほど酷い事ではなく、相手は小さなアドバンテージを得る。この表の横軸(選択が間違っていた場合)では、「相手に小さなアドバンテージ」が当てはまる。
(縦と横の軸が交わるところを見ると、)結果は「良く考えよう」。これが意味するところは、やろうと考えていることはおそらくよいだろうが、他の大事な要素が絡まない限りだ。(例えば、相手が2ライフで、何か有効なカードを引ければ返しのアタックで勝てる)他の要素がないな場合、私なら4/2をブロックする。
もちろん、これはわかりやすい例。これからたくさんの場合を見て、各場合のポイントを解説しよう。
・アドバンテージの定義
勝ち確定:実に単純。君の判断が正しければ、ゲームは君のもの。たとえば、相手のライフが2で、君の手札にショックがあるが、相手が対抗呪文を持っているかもしれない場合。相手にカウンターが無ければ君の勝ちという具合で、それゆえ目論見どおりにいけば勝ち確定というわけ。
負け確定:その対極がこちら。君はショックをドローし、相手の場に2/2があり、君のライフは2。もし相手に+1/+1できる呪文があれば負け確定。
君に大きなアドバンテージ:同じく君にショックがあり、相手の場に2/2があり、そのクリーチャーに魂の絆と好奇心が付いている。ショックで焼けたならもうけものだ。1対多の交換に加え、危険な障害を取り除くことができる。大きなアドバンテージは、ゲームを有利な展開にさせるだけの影響力がある。
相手に大きなアドバンテージ:君にショックがあり、相手のライフは2。相手に誤った指図があれば、君の2/2−次のターンにゲームを決めてくれるかもしれない−に打ち返すことができる。負ける流れを止め、なおかつ1対複数の交換ができるのは大きなアドバンテージだ。
相手に小さなアドバンテージ:君にショックがあり、相手に毎ターンアタックしてくる2/1飛行がいる。もし相手に治癒の軟膏があれば1対1交換をしつつ、相手に有利な展開へと向けることもできる。
君に微妙なアドバンテージ:ショックがあり、相手にプレイして焦熱の火猫の射程圏内に追い込む。普通、微妙な範囲なら場に影響は与えない。もっとも、後になってから効いてくるかもわからない。
相手に微妙なアドバンテージ:ショックがあり、相手の「死ぬと1ダメージ与える」能力を持ったクリーチャーにプレイした。相手はわずかなライフアドバンテージを得たが、カードアドバンテージは得ていない。だから「微妙」。
・項目ごとの分析
君と相手の得るアドバンテージを程度ごとに見てきた。今度は決定の相関図とアドバイスだ。
勝ち確定vs微妙
やるっきゃない!:簡単だ。積極的に、絶対に、迷うことなくやれ!たとえば、君に4/4が2体、相手に2/2が2体いる。相手の1枚の手札は濃霧かもしれない。相手のライフは4で君は5.アタックだ!相手は濃霧がないなら両方の4/4をブロックしなければいけないし、もしあっても相手は君を次のターン倒すことはできないうえ、いずれにしても助からない。
勝ち確定vs小さなアドバンテージ
やってみよう:相手は3ライフで、こちらは20。相手に6/6が1体。こちらは5/5が2体。考えるところは、相手に治癒の軟膏があるかどうか。もしあれば、相手は1ライフ残して踏みとどまり、こちらは5/5を1体失う。相手は場を膠着させるかもしれないが、押し返すにはもっとたくさんの力が必要だ。それゆえ小さなアドバンテージ。もしなければ君の勝ち。
「やってみよう」と「やるっきゃない!」の違いは相手に小さなアドバンテージがあるかどうかで、それ以上の違いはない。
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