ただいま。GPシドニーでトップ16に入り、やっと最近戻ってこれた。さて、親愛なる読者諸兄に、このプレミアイベントでの経験を話したくて話したくてたまらない。トップ8に入れなかったのはとても残念だ。というのも、マリガンするべき初手をキープして馬鹿を見たため。「もしマリガンしていれば」と後悔ばかりだ。ドラフトに使うパックをかき集めるべく、プレリリースに出て、白緑で4−0。6パックゲットして2回分確保できたが、人が集まらず1回しかできなかった。その1回でドラフトしたのは可もなく不可もない赤黒デッキ。このフォーマットについて右も左もわからないままGPシドニーに臨むことになったが、もっと大事な、同じフォーマットで行われるPT神戸を見据えた良い練習くらいに考えていた。

木曜にシドニーに着いたとき、時のらせん3つのドラフトをやる2回目の機会に恵まれ、強い青白アグロデッキをドラフトして勝つことができた。そこでもちょっとわかったことがあるが、それでも十分ではない。大会には8人の日本人が参加し、トップ8を総取りできるかもしれない。何とも欲張った話だが、それだけの力がある強いプレイヤーだ。良き友人の、中村修平と小室修に、このフォーマットについてたっぷり教わった。連中は約20回ほど数をこなす一方で、こちらはたった2回。耳を貸さなくて良いはずがない。

明らかに、日本人の中で「緑をドラフトするな」という共通認識があった。カードに恵まれない限り、使ってはいけない。緑のコモンは、他の色のコモンより、とてもじゃないが弱いというのが理由。例によって、島好きの日本人はこの色と緑以外の組み合わせを使いたがる。リスクとリターンの話になるが、卓のほとんど全員が緑をとらず、1〜2人のはぐれ緑好きがいたとしたら、緑が勝つ可能性は大いにある。個人的には、平均で3人が定員ではないかと思うが、僕はこのセットの緑は好きじゃないので、今回は日本人に倣うことにした。

グランプリに話を戻すと、1日目は3バイのおかげで2−2という平凡な成績でも突破できた。もっと良い成績が取れるはずだったと思うが、平地2枚とか3枚で止まって2回負けた事を考えれば上等だろう。以下がデッキリスト。

7 Swamp
1 Molten Slagheap
2 Mountain
8 Plains

1 Firemaw Kavu
1 Grapeshot
1 Pit Keeper
1 Nightshade Assasin
1 Magus of the Mirror
1 Sengir Nosferatu
1 Tendrils of Corruption
1 Skulking Knight
1 Trespasser il-Vec
1 Corpulent Corpse
2 Strangling Soot
1 Duskrider Peregrine
1 Cavalry Master
1 Knight of the Holy Nimbus
1 Moorish Cavalry
1 Plated Pegasus
1 Amrou Scout
1 Soltari Priest
1 Icatian Crier
1 Flickering Spirit
1 Amrou Seekers

シールドの原則

・マナソースは18枚入れろ

このフォーマットはいつもより多くのマナソースがいる。エコーや、(後から引いてきた)重い待機カードを素出しするため、そしてスペルシェイパーのコストとして余った土地を使える。トーテムかレンズがあるなら土地は17枚。どちらもあるならやはり17枚。どちらもないなら18枚入れる。個人的には土地はもっと入れてもいい。土地が多くて困ることはない。土地事故で負ける可能性は少ない。確かに後半余分な土地を引いてしまう確率が高くなるが、このゲームは3枚目・4枚目の土地を置けないと負け確定だ。

ありがたいことに、このフォーマットほどプレイヤーにたくさん土地を入れることをお勧めしているリミテッドはない。平均の17枚を超えて土地を入れる理由などいくらでもある。前述のエコーはマナコストを2回払いを要求するが、ゲーム中盤に土地を出せるなら、エコーを支払いつつ動くことができる。たとえば炎核の精霊を5ターン目にプレイした場合、6枚目の土地が出れば、それだけ6ターン目にスペルがプレイしやすくなる。待機カードは序盤に出せればよいが、ゲームが進むにつれて高コストが負担になる。プレイできるマナがないなら死にカードだ。デッキの中にエコーや待機がなくても、スペルシェイパーの能力起動に使えばよいだけの話だ。

・もっとも強い色と、もっとも除去/爆弾カードのある色を

シールドとドラフトは全く別物だ。プレイするデッキは自分ではなくカードが決める。ときにプレイヤーは色の選択を間違い、1ゲーム目に負けた後で2ゲーム目から色替えをする羽目に陥るのだが、正直な話、いつも僕はこれをやらかす。普通、僕はこういう感じでシールドデッキを組む。まず使えるカード、使えないカードに分ける。それが終わったら、可能な限り早くにもっとも使えない色を切る。色を早くに絞れれば、それだけ多くの時間を効率的なデッキを組むための構築に割ける。もう3分ほどかけて、さらに1色を切る。これで3色が残ることになるが、運が良ければ願ってやまない赤黒の除去デッキが使えるけれど、普通3色目を切るのは大きなジレンマが残るだろう。

3色をそれぞれ組み合わせてみて、どれがもっとも強いか、そしてなぜ・どのように勝てるかを考えよう。たとえば白のフライヤーと赤の除去を組み合わせて勝つ、赤と黒の除去が最も多いため相手の爆弾カードに対処しやすい、などなど。全てはカードプール次第だ。たまに使えるカードが足りなくて苦しむことがある。たとえば、1色目は除去と爆弾カードのある赤に決まるが、2色目を白か黒かで悩んでいるとしよう。黒は2・3枚ほど強いカードがあるが、デッキにするのに使えそうなカードが数枚足りない。黒を選ぶなら、デッキの穴をつまらないカードで埋めなければならず精神衛生上よろしくない。一方、白は使える数は揃っているが、白のベストカードは黒に劣る。この場合なら、安定したカード基盤のある方がいい結果を残しやすい。

・このフォーマットでは先攻を

早く場に出さなければならない待機とエコーはとても重要だ。側面攻撃は言うまでもない。このフォーマットは君が考えているほど遅くはない。飛行、シャドー、畏怖と回避手段も盛りだくさんだ。たしかにこのフォーマットの除去は豊富だが、主導権を握りやすい先攻の方が場をコントロールしやすい。唯一の例外として、除去が8枚以上デッキに入っていること、2マナのスペルの数がかなりあるなら後攻を選ぶのも手だ。

第1ドラフト

2日目のドラフトは第5ポッド。5−2という平凡な成績のためだが、プレイヤーのレベルは第1ポッドよりも低い。ファーストピックは祖先の幻視で、選択に後悔はない。2手目は結核。幻視をできるだけ活用する目的で、待機の時間を稼ぐ除去満載のデッキをドラフトした。以下がデッキリストで、結果は3−0だ。

1 Tendrils of Corruption
2 Temporal Eddy
2 Dark Withering
2 Phthisis
3 Feebleness
1 Careful Consideration
1 Ancestral Vision

1 Slipstream Serpent
1 Coral Trickster
1 Errant Ephemeron
1 Gorgon Recluse
1 Dauthi Slayer
1 Mana Skimmer
1 Nightshade Assassin
1 Vesuvan Shapeshifter
1 Looter il-Kor
1 Pirate Ship

2 Urza’s Factory
9 Swamp
7 Island

クリーチャーは10枚しかなく、ウルザの工廠にかなり頼った構成になっている。2枚目は積極的にとったわけではない。このカードが自分のデッキにとって致命傷になるということ、2枚目を入れてもマナベースがおかしくはならないと思ったので、むしろヘイトピックという感じだった。だがデッキを組むとき、勝ち手段が薄く、2/2の量産がこのデッキに非常にかみ合うため、とにかく2枚入れることにした。こいつは除去満載デッキなら実に強い。本当だ!

第2ドラフト

第2ドラフトでは、前のが上手くいったこともあり青をドラフトするつもりでいたが、初手パックで荒廃の巨人に出会ってしまった。(流すなんて我慢できずに)方向転換したが、同じパックにあったセンギアの吸血魔を流さざるを得なかった。またもやドラフトする色がさっさと決まり、できあがったのはさっきとまったく違うデッキだ。これがリスト。

1 Grapeshot
1 Rift Bolt
1 Orcish Cannonade
2 Temporal Isolation
1 Evangelize
1 Word of Seizing
1 Griffin Guide
1 Opal Guardian

1 Outrider en-Kor
2 Benalish Cavalry
1 Cloudchaser Kestrel
2 Flickering Spirit
1 Suq’ Ata Lancer
1 Goblin Skycutter
2 Blazing Blade Askari
2 Keldon Halberdier
1 Desolation Giant

1 Thunder Totem
9 Plains
8 Mountain

側面攻撃が6枚、残りのクリーチャーは先制攻撃や飛行持ち。ほとんどブロックされないし、されたところで除去すればいい。実に良いデッキなので3−0できると考えていたが、最初のラウンドで2ゲームとも土地を十分に引けずに負けた。このデッキでは2−1で、2日目は5−1で終わった。

見てわかるとおり、ドラフトしたデッキは両方とも流れに沿ったものだ。青黒のコントロールはたくさんの除去とわずかな勝ち手段で、赤白は極度にアグレッシブなクリーチャーでごり押しし、若干の除去でサポートする。緑はドラフトしたことがないのでわからないため、テストはこれを読んでる君に任せる。それでは、この文章が助けにならんことを!

Terry Soh

http://magic.tcgplayer.com/db/article.asp?id=7158

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